2021年令和3年 中村佳穂 そのいのち

2021年令和3年 中村佳穂 そのいのち

MCで「原点に立ち返る」と述べた中村は、ステージにスペシャルゲストを呼ぶ。彼女が生まれて初めてバンド演奏をした時のメンバー、松ノ葉楽団などで活躍するケンケン[バリトン・サックス]が登場した。そして二人で中村佳穂の最初期の楽曲である「聴いて見る」を演奏。サックス・ソロの深い包容力が胸を打つ。

アンコールではゲストの君島大空がアコースティックギターを持って登場。神秘的なアコギの音色に呼応して、中村が息をするかのように次々と歌声を紡いでいく。さらに中村は新曲で会場を幻想的なムードに浸した後に、細田守監督の映画「竜とそばかすの姫」に主人公・すず / ベル役で出演することを発表。思いもよらぬ告知に会場は割れんばかりの拍手に包まれる。中村は「『何故人は歌を歌うのか』というのがテーマになっている映画だと思います。私が思う歌というものを監督にお話ししながら、奔走していくすずとベルを演じています。ぜひ見てください!」と語り、ラストに細田監督がずっと聴いていたという「そのいのち」をパフォーマンス。中村のボーカル、バンドメンバーと君島の演奏、Colloidのコーラスが1つに合わさった壮大な世界観が作り出され、ライブはその余韻を残したまま閉幕した。

MCでは様々な人の意見を取り入れてアルバムを作ったと語る中村。とある人のアドバイスに従って作ったというネイティブ関西弁の楽曲「FoolFor日記」を、大胆なライブアレンジで披露。そして4曲目「永い言い訳」で音源を深化させたような数多くの声の表現を見せ、『AINOU』の新たな一面を見せた。5曲目「get back」ではMASAHIRO KITAGAWAのディープなビートを見事に再生産する荒木と深谷の技量に驚かされた。エレクトロニカのバンド・レミ街でも活躍する二人が、培ってきたチームワーク。そしてビートを作った本人による、渋すぎるコーラス・ソロ。中村佳穂バンドの引き出しの多さを見せつけた。

磔磔の外に降る雨は6曲目「アイアム主人公」の歌詞とマッチ。雨に言及しつつアドリブで曲を始めた中村は、天候さえも味方につけて会場を盛り上げる。7曲目「SHE’S GONE」で荒木が披露した浮遊感のあるシンセ・ソロと、8曲目「You may they」での深谷の激情的なドラム・ソロ。全員に見どころが用意されていた。この2曲のライブでの変わりようも面白い。今回見せているのは『AINOU』の新境地なのだ。

その後ライブは再びバンド編成に。コーラスとしてゲストのColloidが登場し、「胡蝶の夢」で声を合わせる。そのまま中村たちは「LINDY」をパフォーマンス。複雑なビートに乗る中村の自由奔放な歌声が、乱反射する色とりどりの照明に照らされ、場内は祝祭的なムードに包まれた。さらにこの日配信されたばかりの新曲「アイミル」が歌唱されると、会場はハンドクラップで1つになった。

中村佳穂のワンマンライブ「うたのげんざいち 2021」が6月2日に東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)にて開催された。

約1年4カ月ぶりに開催された中村の自主企画となる本公演。盛大な拍手の中ステージに現れた中村は、コロナ禍を経て改めて感じた、音楽を奏でることへの喜びを言葉にする。「今この時代に歌えて本当に幸せです。今日1日よろしくお願いします」という挨拶とともに深々としたお辞儀を見せた中村は、ピアノの演奏に乗せてアドリブで歌声を紡ぐ。その間にステージに登場したバンドメンバーが徐々に音を奏で出し、そのまま中村は「GUM」に突入。グルーヴィな演奏で観客の心を鷲掴みにしていく。続けて披露された「アイアム主人公」では、観客が着席したまま肩を揺らし、彼女の生み出す音楽を思い思いに楽しんだ。

「竜とそばかすの姫」メインテーマはmillennium parade×中村佳穂、常田大希「最高に刺激的な製作」

SNSでもご購読できます。

RSS N21ニュースこんぴうた

コメントを残す

*

CAPTCHA