2021最新 橋本大輝 dスコア

2021最新 橋本大輝 dスコア

当時、橋本の雄大で美しい演技は世界でも評価されたが、世界王者とはDスコア(演技価値点)で2~3点の差があった。この差を埋めるべく、橋本は帰国後、全ての種目で技のレベルアップに取り組んだ。

体操の全日本選手権で19歳の橋本大輝選手が初優勝を果たしました。ミスが続き7位に終わったおとといの予選から一転、決勝で立ち直ることができた背景にはかつての日本のエース、冨田洋之コーチなど周囲のアドバイスがありました。

2年前の年明け。まだ自分の底力を知らなかった千葉・市船橋高2年の橋本を「その気」にさせた言葉がある。

目標を「高校生の全国大会3冠」と言っていた橋本に、日本代表の水鳥寿思監督が言った。

橋本選手は、去年の全日本選手権で5位だった反省から、冬場に大幅に技の難しさを上げ、練習を重ねました。大会前に練習場所で行われた試合形式の演技会では同じ場所で練習を行う、去年の全日本選手権を制した萱和磨選手などを上回りトップの得点をあげ、今大会では優勝に近い選手の1人と目されていました。しかし、16日の予選では得意種目だったあん馬で2回落下。鉄棒やつり輪でもミスを重ね、7位に沈み、演技後は大きく肩を落としました。そこから短い期間に立ち直ることができたのは、アテネオリンピックの団体金メダリストでかつての日本のエース、冨田コーチなど周囲のアドバイスがあったからでした。冨田コーチからはきのう「あきらめるなよ、自分を信じて頑張れ」「ここで次の日6種目やってちゃんとミスなく終われることがエースになるために一皮むけることだ」と励まされたと言います。同じアテネの金メダリスト、鹿島丈博さんからも同様の励ましを受けました。こうした励ましを聞いて、しっかりと自分が演技をすれば一番になれると信頼されていると感じ、切り替わることができたと言います。迎えた決勝。最初の種目は、予選で落下したあん馬でした。「絶対に失敗しない。失敗するはずがない」。そう自分に言い聞かせて臨み、大きなミスなく演技を終えました。3種目めの跳馬では、冬場に最も時間をかけて磨き上げてきた世界最高難度の大技、「ヨネクラ」を決めて15.000をマークして、勢いに乗りました。続く平行棒と鉄棒では持ち前の手足の先まで伸びた美しい姿勢から難しい技をこなして、個人総合の出場者で最も高い得点をマーク。最後の種目のゆかもトップの得点で逆転での優勝を果たしました、決勝の6種目の合計は88.532。2019年の世界選手権の個人総合の金メダリストと遜色ない点数でした。「まさか本当に大逆転して優勝できるとは思わなかった。本当に難しい大会だった。考えすぎて予選がうまくいかなったが、切り替えて修正できる選手が日本のエースになり得るのだと思った」。苦しい経験を乗り越え、初めて全日本選手権を制した橋本選手。さらに前を見据えました。「東京オリンピックで代表入りしてエースになる。そして金メダルを取れるよう頑張る」。

この時、団体総合を制覇したロシアのエースがナゴルニーだった。個人総合との2冠に輝いたナゴルニーは高難度の技を豪快かつ正確に披露した。その姿は、橋本の目にまぶしく映った。「ナゴルニーより強くなる」

鮮やかな逆襲で体操ニッポンの新エースに名乗りを上げた。男子個人総合決勝が行われ、橋本大輝(19=順大)が合計173.365点で初優勝。16日の予選は7位と出遅れたが、この日は19年世界選手権金メダル(88.772点)に肉薄する88.532点のハイスコアを叩き出した。全日本の得点を持ち越すNHK杯(5月16日、長野)の2位以内で、東京五輪代表に決定する。

最終種目の鉄棒を残し、1位と0・467点差の3位。それでも橋本大輝には勝算があった。

橋本が黄金のポテンシャルを解き放った。最終種目の床運動を終えると何度もガッツポーズを見せ、両手を振り上げて観客をあおった。「最後の床は気持ち良く演技して、笑って終わりたいと思っていた。笑顔で終われて良かった。優勝できて、凄く大きな経験になった」。驚異の逆襲劇で、19歳が初めて日本の頂に駆け上がった。
16日の予選は、あん馬で2度落下して首位の北園と2.499点差の7位。「ほぼ優勝は不可能な位置だったけど、諦められなかった」。決勝の1種目目は因縁のあん馬。大きなミスなくクリアし、3種目目の跳馬からは種目別のスペシャリストに匹敵する15点台を4連発。「追われるよりも、追う方が面白い。攻めることができた」と胸を張った。
5位だった昨年12月の全日本以降、約4カ月で技の難度を示すDスコアを1点以上アップ。この日のDスコアは合計36.6点だったが、37.1点の演技構成を持つ。並行して心も磨いた。これまであまり本を読まなかったが、3月には心の仕組みやポテンシャルの引き出し方などについて書かれた「ヤバい集中力」を読破。「一つ一つ丁寧にできたのは、集中できたってことかな」と笑った。
88.532点は19年世界選手権で優勝したナゴルニー(ロシア)の88.772点に肉薄するハイスコア。それでも、19歳に満足感はない。試技会では89.2点をマークしたこともあり、「完璧にやれば90点も可能だなって思っています」。Dスコアを37.4点に引き上げる可能性もあり、前人未到の大台を視界に捉えている。
3位までが0.669点差内にひしめく中、2位以内で五輪代表に決まるNHK杯に臨む。「守るつもりはない。攻めて攻めて、世界最高得点を取ってアピールできるように準備する。日本のエースと言われるように頑張りたい」。
8月7日生まれで両親は「大輝」という名前に、「大きく夏に輝けるように」という願いを込めた。黄金に輝く夏へ。体操ニッポンの新王者が、強く美しく進撃する。
【橋本大輝(はしもと・だいき)】 ☆生まれとサイズ 2001年(平13)8月7日生まれ、千葉県成田市出身の19歳。1メートル66、57キロ。
☆体操歴 6歳で体操を始め千葉・佐原中から市船橋高に進み、現在は順大2年。
☆主な実績 16年の全国中学校大会は右足首骨折の影響で2種目しか演技できずに最下位。全国高校総体は18、19年に団体総合で連覇、個人総合は2年連続で2位。19年世界選手権には白井健三以来となる高校生代表として出場した。
☆憧れの選手 順大の先輩で16年リオデジャネイロ五輪団体総合金メダルメンバーの田中佑典(コナミスポーツ)。
▼男子団体メンバーの東京五輪への道 枠は4。全日本選手権の得点を持ち越す5月のNHK杯で、上位2人が代表に決定する。残りの2人は、6月の全日本種目別選手権(高崎)も含めて代表2人との組み合わせで最もチーム貢献度が高くなる選手を選ぶ。五輪の個人総合には団体メンバーが出場する。

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