2021最新 上田綺世 ユニフォーム

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「(2017年12月のチーム発足から)3年半は長かったですね。去年はほとんど活動もなかったですけど、僕は環境や立場、プレースタイルもガラっと変わったので、すごく長かったかなと感じています」と上田はここまでのサバイバルの厳しさを改めて噛み締めた。

五輪メンバー選出会見でも普段通りの淡々とした口ぶりで自身のやるべきことを語った上田。思考のストライカーはどんな時も冷静沈着に物事を客観視できるのだ。鋼のメンタルは特別な重圧のかかる自国開催の五輪を戦い抜くうえで必要不可欠。22歳とは思えない落ち着きを備えた彼ならば、修羅場を潜り抜けられるはず。今から期待は高まる一方だ。

2月26日に開幕した2021明治安田生命J1リーグ。各クラブは長いシーズンに挑むに必要な戦力を備えてきており、これからの激しい戦いは見逃せないものとなるだろう。

これで完全復活を果たしたかと思いきや、2021年に入っても負傷との戦いは続き、何度も離脱を繰り返すことになった。

日本にとっては非常に厄介な存在となる。2014年と2017年に行われた国際親善試合では計3ゴールをウッドに許しており、その頃からストライカーとしての動きにさらに磨きをかけているのだ。

そして母国を代表して2010年の南アフリカW杯に出場。現在は東京五輪にオーバーエイジとして出場し、悲願のメダル獲得に挑戦している。メダルに近づくか否か、運命の一戦の相手は日本だ。

こう語気を強めた上田はここから世界へと羽ばたくことを夢見ているはず。かつて「欧州5大リーグで活躍したい」と語ったこともあるだけに、世界のスカウトの度肝を抜くような仕事を見せつけてほしい。

6月の最終候補合宿で前田、林大地、田川亨介を含む4人が呼ばれたFW陣は大激戦と言われた。2017年12月のチーム発足当初からコンスタントに招集され、2019年にはA代表の一員としてコパ・アメリカ(ブラジル)やEAFF E-1選手権(釜山)にも参戦した上田は当時から「絶対的エースFW候補」と位置付けられていた。しかしながら、2019年夏に法政大学サッカー部を退部し、鹿島アントラーズ入りしてからは、必ずしもすべてが順風満帆というわけにはいかなかった。それだけに、危機感は強かったに違いない。

オールブラックスのユニフォーム姿でも遜色ないほどの体躯。しかしウッドは白のユニフォームを選んだ。

鹿島入り後を改めて振り返ってみると、最初の半年間はプロの壁に直面。思うような仕事ができずに苦しんだ。チームもJ1リーグ3位に終わり、2020年元日の天皇杯決勝ではヴィッセル神戸に惜敗。無冠に終わった。

得点後はボールをユニホームの中に隠すパフォーマンスを披露。「今は2人目がおなかにいて、五輪が終わったら産まれるので赤ちゃんのためにやりました。男の子です」と第2子が誕生予定であることを明かした。A代表に初選出された2019年の南米選手権(ブラジル)でも、大会期間中に第1子の長女が誕生。「コパのときは思うように結果が残せなかった。今回まだ1点だけなので、あと3試合しっかり点を取っていければ」とさらなる活躍を誓った。

度重なる困難を乗り越え、夢舞台を引き寄せるには、目に見える結果を出すしかない。5月から鹿島で先発に戻った上田は6月のU-24代表にも復帰。最終アピールの場となった12日のジャマイカ戦(豊田)で華麗なループシュートを決め、底力を見せつけた。「いざという時に点の取れる存在」であることを実証した22歳のFWは森保監督の信頼をガッチリとつかみ、ついに18人の座を射止めた。

だが、ご存じの通り2020年シーズンは予期せぬコロナ禍に見舞われ、リーグは長期中断。東京五輪も1年延期という異例の事態になった。7月にJ1が再開されたが、上田自身は負傷に見舞われ、なかなか調子が上がらない。常勝軍団をけん引する点取り屋の1人として責任を痛感したことだろう。そんな苦境下でも、鹿島ユースに上がれず、大学経由で日の丸をつけるところまで這い上がった男はめげなかった。「今、必要なのは成功体験をつかむこと」とプラス思考で取り組み、10月以降はゴールを量産。最終的に2ケタ得点を記録した。

「状態が上がってきてケガという連続。ケガをしないこともいい選手の条件だと思う」と本人も悔しさを味わい続けた。3月のU-24日本代表活動を棒に振り、4月には自身を重用してくれたザーゴ監督が解任されるといったアクシデントも発生。さすがの上田も東京五輪が遠のく感覚を覚えたこともあっただろう。

思い起こせば、今から20年前の2001年。鹿島のレジェンド・柳沢敦(現ユース監督)はイタリア相手に強烈な一撃をお見舞いし、セリエA移籍を勝ち取った。果たして上田綺世は偉大な先輩と同じようなキャリアを辿れるのか…。自身の人生を左右する灼熱の夏は間近に迫っている。

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