2021最新 松山英樹3日目

2021最新 松山英樹3日目

多くの日本人ゴルファーたちがたどり着けなかった頂点に立った瞬間、目に涙を浮かべた松山。まぎれもなく、努力が生んだ快挙だった。

しかし、2011年4月のマスターズで私が初めて目にした松山には、むしろ豊かな感受性が感じられた。喜怒哀楽にも富むエモーショナルな大学生だと私には思えた。

夢にまで見たマスターズでこれから4日間、戦うのだという現実を五感で味わっていた松山からは、その喜びが溢れ出ていた。

どんな言葉で、どう答えたらいいのか。全てが初めての経験故に、対処の仕方が分からないという様子の松山は、困惑の色を露骨に表情で示していた。

2打差3位で最終組から出た日本代表の松山英樹は前半を4バーディ、1ボギーの「33」(パー36)とし、通算12アンダーの首位タイで後半に入った。同じ最終組のザンダー・シャウフェレ(米国)、カルロス・オルティス(メキシコ)が並んでいる。

それは、当時の日本ゴルフ界を席巻していた国民的スター、石川遼との対比でもあったのだと思う。明るい笑顔を輝かせながら饒舌に語る派手でアクティブな石川が「動」なら、黙々とプレーする松山は「静」であり、その場の空気を読んで上手に対応する石川が「器用」なら、細かいことに惑わされることなくデンと構える、いい意味での「鈍感」であり、その「鈍感力」こそが松山の持ち味だと評されていた。

オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブで初めて臨んだ会見では、欧米メディアからの質問の大半が前月に起こったばかりの東日本大震災に関する事柄に集中した。被災地となった「第二の故郷」仙台や東北エリアへの複雑な思いを胸に抱いていた松山は、会見場の重苦しい空気を肌で感じ取り、険しい表情で壇上に座っていた。

試行錯誤を繰り返しながら迎えた“本番”。松山は、その成果をオーガスタの舞台で遺憾無く発揮した。

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