2021年令和3年 テスラモデルx サイズ

今回の試乗は東京・お台場周辺と首都高速……という、正味1~2時間ほどにかぎられたが、重量物が床下に集中した低重心パッケージゆえに、身のこなしにSUVならではの背の高さを意識することはほとんどない。しかも、サスペンションもソフトな設定で、22インチ(!)という武闘派きわまりないタイヤのコツコツ感はあるものの、とにかく乗り心地はしなやかだ。さらに凹凸を乗り越えても、ガタピシという低級音も皆無に近い。
 
ふと、ホイールハウスの隙間からサスペンションをのぞきこんでみると、これがまた異例なほどゴツいアルミパーツで固められている。シロートの目から見ても“もっと軽量化の余地があるのでは?”とツッコミたくもなるが、これまでテスラを試乗したジャーナリスト先生方が総じて、走りを絶賛しているキモは、低重心パッケージと、すこぶる頑丈そうなシャシー構造にあると思われる。

“巨大な電気SUV”などというモデルXは、昔ながらの大自動車メーカーが真面目に思案したらとてもつくれない……という意味で、モデルS以上にテスラらしいEVともいえる。

それでも、既存の自動車メーカーは奥歯にモノがはさまったように“自動運転”という表現を使いたがらない。しかし、テスラは「各国・地域の認可が必要」と断り書きを入れつつも、「将来の完全自動運転に対応したハードウエア」と、あえて一歩踏み込んだキャッチフレーズを使っている。

知っている人も多いと思うが、昨年5月にアメリカでオートパイロットを装備したモデルSで不幸な死亡事故が発生したが、その後のアメリカ国家道路交通安全局の調査で、テスラのシステム自体に欠陥はなかったと結論づけられた。現在の自動運転技術が完全なものではなく、最終的な責任があくまでドライバーにあることはテスラにかぎったことではない。

テスラは航続距離や充電時間など、EVの実用性をこむずかしく考えず、しかも“面白い”と直感したら、1000万円程度のクルマならポンとノリで買ってしまう富裕層に向けた商品としてつくった。だからこそ、ここまでヒットしたのだと思う。

またボディサイズも全長4694×全幅1849×全高1443mmと従来モデルと比べると取り回しがしやすくなっている。乗車定員は5人乗りでトランク容量は425Lを確保。

割安な車種もあることがわかったテスラの中古車。今後、中古車がさらに増えてお手頃価格になっていくことを期待したい。

だが、テスラが成功した最大の理由は、誤解を恐れずにいうと、EVを実用車として真面目に考えすぎていない点にあると思う。

大量のバッテリーセルを敷き詰めたフロアは低く、ホイールベース内側のフロアに凹凸や突起物はほぼ皆無といっていい。試乗した6人乗り仕様車の2列目シートはそういう真っ平らなフロアに、脚付きで配置されており、レイアウト上の制約が少ない。つまり、テスラはもともと、こういうミニバン的なレイアウトには最適なパッケージなのだ。

アメリカメディアの『TESMANIAN』が、テスラ『モデル3』の2021年モデルはバッテリーが82kWhに増量している可能性が高いと報じています。臨機応変で着実な進化は、テスラと既存メーカーとの大きな違いのひとつです。

加速するテスラのイノベーションに既存自動車メーカーが追いつき追い越すことは、ますます困難な仕事になっているようです。

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テスラのファルコンウイングドアは古典的なガルウイングドアとは異なり、緻密な“中折れ”機構が備わっており、開閉に要する左右スペースが、普通のヒンジ式スイングドアやガルウイングより圧倒的に小さくて済むのが特徴だ。広報担当氏によれば“日本で主流のスライドドアよりせまい空間で乗降できます”とのことである。

テスラはイノベーションを加速することを最優先していて、既存の車両を改造するラインを設けるのは進化の速度を妨げる。テスラユーザーはそのことを理解するべき、ということです。ソフトウェアやハードウェアの変更ばかりでなく、車両価格の値下げ、自動運転オプションの値上げなどの価格変更も、予告なく臨機応変に行われることがテスラの特徴になっています。