2021年令和3年 太平洋セメント バイオマス発電

昨年行われたトランプ大統領とバイデン元副大統領による大統領選挙は、さまざまなキャンペーンとともに連日報道され、世界中から注目されました。年明け1月6日には、連邦議会上下両院合同会議で選挙人選挙得票数の集計・承認作業がなされているその瞬間、結果に異議を唱える国民が乱入し世界驚愕のニュースになりました。当局対応により騒乱が収まった後、会議が再開され正式にバイデン新大統領が決まりました。そして2週間後の1月20日、世界が注目する中、就任式が行われ多くの方々もテレビ中継を見られたものと思います。
ところで、バイデン大統領が副大統領時代、東日本大震災が発生し、皆さんご存知の通りアメリカ合衆国は米軍「トモダチ作戦」を大々的に展開し被災地支援を行いました。当市でも漁村センターの避難所前広場などに米軍ヘリコプターが飛来し、水・食料などの支援をいただきました。
仙台空港では、津波で滑走路・空港ターミナルビル1階が多くのガレキとともに水没しました。直後から、米軍が大型車両などを投入し自衛隊とともに「トモダチ作戦」を展開し、ガレキで埋まった仙台空港滑走路を復旧しました。そして、3月16日からはB滑走路1,500メートルの運用開始による救援物資の輸送、4月13日からは国内線の一部再開など仙台空港の早期再開に大きな力となったところです。
バイデン元副大統領は、平成23年8月23日、仙台空港を訪れ、「トモダチ作戦」などを通じた被災地への支援と日米同盟の絆について演説を行いました。当日は、空港ターミナルビル2階ロビーに会場が設けられ、自衛隊・米軍・自治体関係者・被災者約200人が招待されました。当市にもアメリカ大使館より招待状が届けられ、私と消防署幹部2人が仙台空港に駆け付けました。
笑顔で手を大きく振りながら現れた副大統領は、檀上から演説を行いました。内容は、「仙台空港の復旧は復興への重要ステップであり、その活動の舞台に立てたことはアメリカ合衆国の誇り。米軍が被災地で展開したトモダチ作戦は大きな成果をあげ、次の作戦は日本の復興を支えること」という趣旨であったと覚えていますが、眼前の副大統領の演説は感動そのものでした。
スピーチ後、演台から降りた副大統領は会場の人たちに笑顔で握手を始めました。やがて私の近くに来られた時、「支援を受けた大船渡市です、感謝します!」と手を伸ばしたところ、にっこり笑って握手して下さいました。そして、今は第46代アメリカ大統領です。
東日本大震災から間もなく10年が経過しますが、オバマ大統領、トランプ大統領、バイデン大統領と変わるアメリカ合衆国の激動に接した10年でもあります。特にもその後半では民主党から共和党へ、さらに民主党へと政権は移り戻され、日本とは様相を異にする民主主義を垣間見た特別な期間でもありました。

東日本大震災の発生から、きょうで9年11カ月。復旧・復興事業の進展によって、街並みは整い、地域経済を支える新たな事業展開も生まれた。大船渡市赤崎町に構える太平洋セメント㈱大船渡工場(服部誠工場長)の敷地内に整備された大船渡バイオマス発電所は、営業運転から1年が過ぎ、順調に稼働を続ける。夜に浮かび上がる輝きは、甚大な被害から立ち上がった産業の復興を照らす。

太平洋セメント株式会社大船渡工場には、巨大な構造物が建設されています。
これは、年間約30万トンの輸入パーム椰子殻を燃料とするバイオマス発電所であり、まもなく発電開始予定と伺っています。
発電能力は約7万5千kWで、24時間稼動により市内における総電力使用量の何と約170%相当を発電するものと見込まれています。
大震災前、同工場には石炭火力発電所がありましたが、大震災を契機に、地球環境にやさしいバイオマス発電所を整備し、自社使用と余剰分を売電する予定と伺いました。
さらに同社では、住田町内において開発中の新たな石灰石鉱山から、令和3年より出鉱する予定と伺っており、今後100年は持つとのことです。
このように、地球温暖化時代対応のバイオマス発電所建設といい、新石灰石鉱山開発といい、太平洋セメント株式会社様による将来布石が感じられる取り組みです。地域にとっては誠にありがたく、新たな取り組みに対して心から敬意を表し感謝申し上げます。
ところで、本市は陸前高田市・住田町とともに平成23年12月に内閣総理大臣から環境未来都市として選定され、今日まで関連する取り組みを行ってきています。
その1つとして、五葉山太陽光発電所(平成27年8月稼動)があります。発電能力は約1万8千kWであり、発電量は市内の総電力使用量の約10%相当です。
両方合わせますと、市内総電力使用量の約180%相当の発電となります。市内ではこのほかにも、多数の小規模な太陽光発電所が各地で稼働していますし、さらには吉浜大窪山付近において約2万9千kWの太陽光発電所建設の計画もあります。
世界の主要国は温暖化ストップのために、2000年代後半には化石由来の二酸化炭素排出量ゼロを目指しています。
日本も同様ですが、人口の約半分が居住している大都市圏では、実質的に再生可能エネルギーの発電は不可能ですので、その分自然豊かな地方で発電されることになります。
二酸化炭素排出量ゼロを達成する場合の地方における再生可能エネルギー発電量を、原子力発電所が将来なしとなる前提に、電気自動車転換分は現在の電力総使用量の10%程度(算定値)、現在の本市の電力総使用量を基準に考えますと(1)本市で消費する電力量=100%+電気自動車転換分10%=110%
(2)大都市圏に送電する電力量=(1)と同量で計算=110%
(3)省エネ化(80%と仮定)と人口減少分(80%と仮定)=64%
◎目標とする発電量=((1)+(2))*(3)=140.8%
以上より、140%前後が目標と想像されます。
市では、現在約180%まで実現しており、この分野では環境未来都市を実現していると言えるでしょう!
市政課題はたくさんありますが、今後ともこの分野にも注力してまいりますので、皆様のご理解とご協力方お願い申し上げます。

大船渡バイオマス発電所は、同社と電力供給会社のイーレックス㈱=本社・東京都=が共同出資し、平成28年8月に設立した大船渡発電㈱が運営。翌年9月に着工し、昨年1月から営業運転を始め、同29日に竣工式が行われた。 震災の津波で被災、休止した大船渡工場内の発電所をバイオマス発電所として再建。工場内の電力として利用するとともに、売電事業にも参画している。 発電出力は国内最大規模の75メガワット、年間発電量は約52万メガワットアワーで、一般家庭約11万9000世帯分の年間電力消費量に相当する。「再生可能エネルギー固定価格買取制度」を活用し、発電した電力は全量をイーレックスへ売却し、同工場が必要分の電力を購入している。 主な燃料は、パームヤシ殻と、パームオイル搾油工程で廃棄されていたパーム空果房(くうかぼう)。マレーシアやインドネシアから船で輸入し、ボイラー内で燃焼させる。発生熱で水を蒸気に変え、タービンを回転させて発電機を作動させ、電気を生み出す。 年間約30万8000㌧の二酸化炭素削減に貢献。夜間には設備が照明によって輝き、新たな〝工場夜景〟としても関心を集める。 同工場では平成22年9月から10月にかけ、大船渡港に入った客船「飛鳥Ⅱ」を歓迎しようと、設備照明の一斉点灯を行った。当時と比較しても、工場内はもちろん、大船渡町内の光も増え、復興を実感できる。 震災では、工場施設の約7割が被災。同社従業員らは高台に避難し、暗闇の中で身を寄せ、寒さをしのぎながら一夜を過ごした。 主要地方道より東側の高台に位置する5号キルンを生かし、23年5月から、工場内に流れ着いた土砂や被災地で撤去したがれきを焼却。がれきは26年3月までの間、大船渡、陸前高田などの県内3市2町から受け入れ、約100万㌧を処理。建設資材に欠かせない本業のセメント生産とともに、各種事業のスピードアップに大きく貢献してきた。 昨年3月には、工場のそばに架かる新川口橋が完成。大船渡町内の市道も整備され、この1年で同町の中心市街地から赤崎町や三陸町綾里方面に移動する際の利便性が高まった。行き交う車両の光の筋や、大船渡町側の建物の照明が、港湾周辺に輝きをもたらす。

本発電所は、発電出力 75,000㎾の発電を行うものであり、国内最大級の木質バイオマス 発電所となります。 本発電事業は、太平洋セメントが発電所運営を行い、イーレックスが発電した電力を全量 購入します。また、両社協力し、バイオマス燃料の調達・供給を行います。
イーレックスは、低炭素社会実現に向けて、今後も国内外における再生可能エネルギーを 活用した事業を積極的に推進するとともに、東北の復興と地域経済の活性化に貢献して参 ります。