2021最新 岩崎恭子 人生

若くして金メダルを獲ってしまったがために、ほかの誰にも経験することのできない苦悩や挫折も味わってきた岩崎さん。そのなかで彼女自身、どんなことを感じてきたのだろう。

「指導するときは何より私が笑顔でいること、水泳を楽しむことを心がけています。そのうえで、自分自身が一生懸命に取り組んでいる姿を見せること。プールだと知らぬ間にスイッチが入って、『プールのなかだとかなりハキハキ喋るんですね』と言われます(笑)。そうやって自分が生き生きとしていれば、きっと水泳は楽しいものだと思ってもらえるだろうし、なにか感じてもらえることもあるはずだと信じています。 テクニカルなことを言えば、水泳界でもどんどん新しい技術が生まれ、進化し、それに伴い練習方法も昔と大きく変わってきています。事実、私がメダルを獲得したときのタイムは2分26秒でしたが、現在の日本記録は2分20秒台、世界記録は2分19秒台とかなり縮まっているんですね。だから私も現役のトップ選手がどういう練習法を取り入れているのか、コーチはどんな指導法をしているのかを間近で見、肌で感じながら、そのなかで得たものを多くの人たちにフィードバックしていきたいという気持ちはありますね」

岩崎恭子は、シフォン素材の花柄のワンピースに身を包み、明るい表情で取材現場に現れた。

13歳10か月でのメダル獲得は14歳の岩崎恭子を抜いて日本最年少記録。西矢は「最新記録だと思うんですよ。それがうれしいです」と素直に喜んだ。

これに対し、ファンらからは「岩崎さんの記録は未来
永劫(えいごう)
更新されることはないと思っていました」「最年少金メダリスト更新。感無量でしょう」などのコメントが寄せられた。

だが、彼女にはどこか薄幸の印象がつきまとう。バルセロナで出した自己記録を破れず低迷する成績、アトランタ五輪での敗北、20歳での早すぎる引退、結婚と離婚などプライベートを巡る報道――。

あれから27年。岩崎恭子は彼女の人生を一変させた予想外の金メダルとどう付き合い、どんな人生を送ってきたのだろうか。「今までで一番の幸せ」はやはりあの瞬間なのだろうか――。

岩崎さんは「10代の若い選手たちが世界でどんどん活躍していく姿には感銘を受けてます。日本のスポーツ界にとっても競技力が上がっていく原動力になると思います。元アスリートとして嬉しい限りです」とつづった。

五輪にまつわる問題が多数登場する中、最終難問として出題されたのは、岩崎がバルセロナ五輪の200m平泳ぎで、金メダルを獲得したレース直後のセリフだった。競泳の松田は「今まで生きてきた中で一番幸せです」と解答し、見事正解。しかし、実際にセリフを発した岩崎自身がまさかの「違うの!」と否定。スタジオも一瞬、困惑する事態になった。

水泳に支えられてきたからこそ、水泳界への恩返しがしたい─。日々その思いで活動を続けている岩崎さんは水泳の魅力を次のように語る。

選手としてのメンタリティを学ぶために大学では心理学を専攻し、卒業後はアメリカ留学も経験。誰も自分のことを知らないという環境で心の余裕を取り戻した岩崎さんは帰国後、水泳指導者の道へ進んだ。日本水泳連盟競泳委員・水泳インストラクターなども務めている現在、どのような思いで指導にあたっているのだろうか。

決勝には20人の予選を勝ち抜いた8人が進出。日本勢は出場3人全員が残った。

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