2021最新 内村航平母校

鉄棒に絞ったのは、痛めていた両肩への負担が少なかったことに加え、2015年の世界選手権で金メダルを獲得するなど高得点を取れる種目だったことが大きな要因だ。リオ2016大会の個人総合でも最後の鉄棒で着地をぴたりと止め、オレグ・ベルニャエフ(ウクライナ)を逆転したシーンは、記憶に新しい。

白井は17歳だった2013年に日本男子では史上初めて高校生で世界選手権の代表となり、種目別ゆかで金メダルを獲得。主要な国際大会で成功例がない「ひねり技」を跳馬とゆかで三つも決めた。そのすべてに「シライ」の名がつくなど一躍、世界のトップ選手になった。リオ五輪では男子団体で金メダル、種目別の跳馬で銅メダルに輝いた。現在、「シライ」とつく技は計六つある。

2020年から1年延期された東京五輪の開幕まで2カ月を切った。新型コロナウイルスの感染拡大は止まらず、開催に否定的な見方は広がる一方だ。選手たちも複雑な思いを抱えて競技と…

内村にとって、この5年間は「初めての挫折だった」。リオまでは自分の思い描く通りに全てが順調に進んでいた。ただ、うまくいかなくなったときこそ、人間としての強さも問われる。内村は栄光を極めた過去の自分と決別し、新しい自分と向き合うことで、その挫折を乗り越えた。4大会出場することは「諦めが悪く、心の底から体操が好きな人しか到達できない領域」と語っていたが、内村というアスリートの本質も「諦めない」「心の底から体操が好き」という言葉に集約されている。

◆体操NHK杯開幕前日会見(14日・長野市ビッグハット)体操男子個人総合で五輪2連覇し、東京五輪は種目別鉄棒での出場を目指す内村航平(ジョイカル)がオンラインで取材に応じ…

◆体操全日本種目別選手権(5日開幕、群馬・高崎アリーナ)男子個人総合で五輪2連覇中で、種目別体操に絞って東京五輪代表を目指す内村航平(ジョイカル)がオンラインで取材に応じ…

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体操男子日本代表は、「(金5、銀4を獲得した)1964年の東京を超えるような大会にしよう」という意味を込めて「Beyond 1964」というスローガンを立てた。内村自身も団体優勝を目指していたリオでは「(団体で金メダルを獲得した)アテネの冨田洋之さんの着地を超えたい」とずっと言っていたが、それが無理であることを実感した。

種目別という決断 内村航平の生きる道は「間違っていなかった」

オリンピック3大会(2008年北京、2012年ロンドン、2016年リオデジャネイロ)に出場し、個人総合2連覇を含む7つのメダル(金メダル3、銀メダル4)を獲得。また、世界体操競技選手権でも個人総合での世界最多の6連覇を含む21個のメダル(金メダル10、銀メダル6、銅メダル5)を獲得している。国内大会ではNHK杯個人総合10連覇、全日本選手権個人総合でも10連覇を達成。

東京五輪の体操は、団体総合に臨む4人とは別に、種目別の個人枠も設けられている。男子個人総合で五輪2連覇中の内村航平(ジョイカル)=長崎県諫早市出身=は鉄棒に絞ってこの枠で…

いま求めるのは「自分の満足する演技」。6種目を演技してた時代に比べ、1種目にしぼったからこそ、理想を体現できるチャンスは多くなったと考えている。「思い返すと、自分の満足した演技は少ないと思っている。そこを追求してやるし、やってこれているので、そこにすべてをかけてやりたい」と内村ならではの境地へと向かう。

「何かを超えるってやはり難しいんです。1964年の東京はそのときの東京ですし、2021年の東京は今回にしか出せないものがある。だから僕は今のこのチームで新しい歴史を築くような演技や、名場面を自分たちで作っていければいいんじゃないかと思います」

5人の力を結集した団体、最後の鉄棒で着地をぴたりと止め、ベルニャエフを逆転した個人総合は、それぞれリオの名場面だ。内村は東京で新たな歴史を刻むべく、静かに燃えている。

17年世界選手権では、負傷棄権した内村航平に代わり、個人総合で銅メダルを獲得。ゆかと跳馬で2冠に輝き、内村に続くエースと期待された時期もあった。しかし、19年は足首を痛めた影響もあって、5大会連続で出場していた世界選手権の代表から落選。その後も肩や腰などのけがに泣いた。