2021最新 古川高晴大学

しかも、ある本数の矢を射ったあとは、的から引き抜くために、往復140m(70m×2)を歩く。1日7~8kmだ。このため、古川は筋力トレーニングもするし、ランニングもする。フォームを作り、弦を引き絞った状態を、2分間キープできるのが、理想の筋力だという。古川は20代にはそれができたが、30歳を越えたころから厳しくなったため、筋トレも大切なメニューになった。

古川は2004年のアテネ・オリンピックから、4大会連続でオリンピックに出場している日本の第一人者で、12年のロンドン・オリンピックでは銀メダルを獲得した。そして、今年8月に行われたアジア大会の、混合リカーブという種目で杉本智美とペアを組み、優勝を果たしたのである。

「いや、大きかったですね。これまでにオリンピックと世界選手権ではメダルを獲ったことはありますが、アジア大会では初めてで、しかも金メダルですから。それに今、世界でのナンバーワンは韓国なので、彼らが出場する大会で勝てたということもうれしい。たとえば、僕が韓国国内の順位に組み込まれたとしたら、調子がよいときで20位、悪いときは30位ぐらいでしょう。実際に個人でも団体でも、韓国と日本が戦ったら、10回のうち1回しか勝てないぐらいの差がある。今回のアジア大会では韓国が先に負けていたので、彼らと当たらないで済んだ。当たったら、負けた可能性も大きい。僕もこれまでに何度となく対戦しましたが、勝ったのは数回ですから」

選手から的までの距離は、70m(オリンピックの場合)。的は同心円状に黒、青、赤、黄などに塗り分けられている。中心部にある一番小さな円の直径は12.2cm。CDの大きさと、ほぼ同じである。実際にフィールドで、選手と同じ位置に立ってみる。目を凝らしているのだが、一番小さな円はまったく見えない。古川高晴はニヤッと笑った。

現在、古川は近畿大学に所属しながら、大学の洋弓部の部員とともに練習を行っている。どのような日々を送っているのであろう。

古川は現在34歳だが、日本ではトップの座を守っている。力も必要だが、それ以上に技術や経験が重要になるこの競技では、古川の年齢の積み重ねは、プラスに働くのだ。ということで、古川の今の目標も2年後に迫った東京オリンピックなのである。

アーチェリー個人銅メダル古川高晴「歴史に名前を残すことができて嬉しい」

アーチェリーはトーナメント制なのだが、古川は常に韓国選手とできるだけ当たらないような組み合わせを願っている。1回戦、2回戦で当たってしまうと、なかなか上位へと食い込めない現実があるのだ。

もちろん、古川もただ手をこまねいているばかりではない。自分と韓国選手との差がわかっているからこそ、しっかりとした目標を立てられるし、そのための練習も淡々とこなしていけるのだ。