2021最新 内村航平 団体

2012年のロンドン五輪、2016年のリオデジャネイロ五輪で男子体操個人、同じくリオでの団体金メダリストである内村航平は、2017年以降、大きな怪我が続き低迷。2020年に東京五輪出場に向けて、得意の鉄棒だけに専念し、この日に臨んだ。体操競技は東京・有明体操競技場で行われた。

“キング”内村の予選落ちは、団体戦を戦う橋本大輝、谷川航、萱和磨、亀山耕平ら日本チームに衝撃を与えることになったが、内村自身も気持ちを切り替え、団体で暫定1位となった若いチームのサポートに回ると話した。

「何かを超えるってやはり難しいんです。1964年の東京はそのときの東京ですし、2021年の東京は今回にしか出せないものがある。だから僕は今のこのチームで新しい歴史を築くような演技や、名場面を自分たちで作っていければいいんじゃないかと思います」

5人の力を結集した団体、最後の鉄棒で着地をぴたりと止め、ベルニャエフを逆転した個人総合は、それぞれリオの名場面だ。内村は東京で新たな歴史を刻むべく、静かに燃えている。

体操男子日本代表は、「(金5、銀4を獲得した)1964年の東京を超えるような大会にしよう」という意味を込めて「Beyond 1964」というスローガンを立てた。内村自身も団体優勝を目指していたリオでは「(団体で金メダルを獲得した)アテネの冨田洋之さんの着地を超えたい」とずっと言っていたが、それが無理であることを実感した。

リオの団体と個人総合で2つの金メダルを獲得してから5年。当時27歳で、年齢のことも考えれば、東京への挑戦はいばらの道になることは予想していたが、ここまで険しいものになるとは想像していなかった。

男子鉄棒の予選に出場した内村は、H難度のブレットシュナイダーなどの離れ技を決めたあと、ひねり技で鉄棒から落下。まさかの予選落ちとなった。

内村にとって、この5年間は「初めての挫折だった」。リオまでは自分の思い描く通りに全てが順調に進んでいた。ただ、うまくいかなくなったときこそ、人間としての強さも問われる。内村は栄光を極めた過去の自分と決別し、新しい自分と向き合うことで、その挫折を乗り越えた。4大会出場することは「諦めが悪く、心の底から体操が好きな人しか到達できない領域」と語っていたが、内村というアスリートの本質も「諦めない」「心の底から体操が好き」という言葉に集約されている。