2020年令和2年 栗原陵矢 福井

◆生まれ 1996年(平8)7月4日、福井県生まれ。

第1戦では巨人のエース・菅野 智之(東海大相模出身)から先制2ランを放つ。さらに栗原は4打点の活躍を挙げ、シリーズ4試合で14打数7安打、3打点の活躍を見せ、見事に勝利に貢献した。

あの菅野を打ちのめしたのは柳田でもない。グラシアルでもな い。栗原だ。シリーズ初スタメンで球界を代表する右腕から3安打4打点。決戦前日、左足負傷で離脱中の今宮からLINEが届いた。文面は「日本全国に栗原という名をアピールしてきなさい」――。先輩の言葉通り、新たなシリーズ男として「全国デビュー」した。
「メチャクチャ緊張したんで何も考えず、ファーストストライクから思い切って打ちにいこうと思った」
2回無死一塁の初打席。カウント2―0から内角のスライダーを強振すると、滞空時間の長い飛球は先制の右越え2ランとなった。4回も内角の150キロを右翼線二塁打にすると、6回2死一、三塁でも「集中して打ちにいけた」と左中間に2点二塁打を放ち、菅野にトドメを刺した。
6年目でレギュラーをつかんだ今季は打率・243も、打点はチームトップの柳田に次ぐ73。得点圏打率・333の勝負強さを大舞台で発揮した。「CSはボロボロだったし、(菅野は)凄い投手なんで背負うものはないと思って臨んだ」。無心が、覚醒を生んだ。
自らを「心配性」と認める性格。ロッテとのCS前の7日に神頼みした。日本三大稲荷の一つで佐賀県鹿島市の「祐徳稲荷神社」を参拝。馬のイラストの「うまくいく守」を購入し、「きっとうまくいく」と念じた。しかし、主力として初めて臨むポストシーズンで力み、2試合で5打数無安打に終わった。それでも「前のことを引きずっても仕方ない。日本の最高峰の投手と戦えるのは楽しみ」と3年前の交流戦で1打席だけ対戦した菅野を相手に燃えていた。
そして見違えるような大活躍。工藤監督も「素晴らしい投手から、栗原君があのホームラン。CSの時とは思えないくらいでした」と驚いた。印象に残る日本シリーズは15年のヤクルト―ソフトバンクでの山田哲の3打席連続本塁打。栗原は1年目だった。テレビ観戦し興奮した5年後、堂々と暴れた。それも球界最高年俸6億5000万円を誇る巨人のエースを1000万円の24歳が打ち砕いた。
18年は甲斐の強肩、19年は周東の足、そして今季は5番を打つ栗原の強打がある。「初戦を取れたのは大きいけど、また明日、チームが勝てれば、それでいい。ベストを尽くすだけ」。4年連続日本一へ、また頼もしい若手が台頭した。(井上 満夫)
≪シリーズ2打席目 球団最速の初本塁打≫栗原(ソ)が2回にシリーズ通算2打席目で初安打となる初本塁打。チームでシリーズ初打席初本塁打の打者はなく、南海時代の51年第5戦の村上一治、53年第3戦の中原宏の各3打席目を抜く球団最速の初本塁打になった。また、チームでシリーズ初安打が本塁打は53年・中原宏、55年・深見安博、66年・中島博征、14年・李大浩、20年・栗原陵矢と5人目で、決勝弾になったのは栗原が初。
また、栗原は6回にも2打点を挙げ計4打点。チームでは00年第2戦の城島健司(当時ダイエー)、15年第4戦の李大浩、18年第3戦のデスパイネに並ぶ1試合最多打点になった。なお、シリーズ記録は63年第7戦の柴田勲(巨)と04年第3戦のカブレラ(西)がマークした1試合6打点。
◆栗原 陵矢(くりはら・りょうや)1996年(平8)7月4日生まれ、福井県出身の24歳。春江工(現坂井)1年秋は神宮大会4強、2年春センバツは初戦敗退。14年ドラフト2位で入団。プロ初本塁打は昨年7月23日のロッテ戦。今季は右翼、左翼、一塁で起用されたが本来の登録の捕手も3試合に出場。1メートル79、75キロ。右投げ左打ち。

関連記事◆【選手名鑑】栗原 陵矢(春江工出身)を徹底分析!◆【【ギャラリー】全238枚!高校時代の栗原 陵矢 (春江工)を写真で振り返る◆栗原陵矢(春江工出身)が4打点の活躍!2020年は14年のU-18代表が躍動する1年に!

プロ野球のSMBC日本シリーズ2020は11月25日、福岡市のペイペイドームで第4戦が行われ、ソフトバンクが巨人に4連勝し、4年連続日本一を決めた。福井市出身の栗原陵矢(旧春江工業高校出身)は、第1戦で先制2ランを含む3安打4打点を挙げ、2戦目も4安打を放つなど日本一に貢献。最高殊勲選手(MVP)に選ばれた。福井の家族や同級生らはプロ6年目の飛躍に胸を熱くし、「来季からが本当の勝負。陵矢らしく歩んで」と見守り続ける。

10代を共に過ごした仲間も喜びをかみしめる。高校の同級生でセーレン軟式野球部の濱出翔太さん(24)は、年始に坂井高校で恒例の「初打ち」をした際に「昨季までとスイングの切れが違う」と活躍を予感していた。「日本シリーズで先制本塁打とは。相変わらず勝負強い」。同部投手の坪田和大さん(24)は高校で1学年下の栗原とバッテリーを組み、2012年秋の北信越地区大会を制した。「打撃もリーダーシップも当時からずぬけていた」と振り返る。

プロ野球、日本シリーズは、ソフトバンクが巨人を破り、4年連続の日本一に輝きました。
MVP=最高殊勲選手には、シリーズを通して打率5割と活躍した春江工業高校出身のソフトバンク・栗原陵矢選手が選ばれました。
栗原選手は、第1戦では決勝のホームランを放ち、さらに最初の2試合で8打数7安打とチームを勢いづけました。
そして、シリーズを通して打率5割とソフトバンクの優勝に大きく貢献しました。
栗原選手は春江工業高校、現在の坂井高校の出身で、平成26年のドラフトでソフトバンクから2位で指名されました。
会見に臨んだ栗原選手は、シリーズのMVPに選ばれたことについて、「いい場面で打てたと思うし、楽しもうとしたことがいい結果につながった」と話しました。
そして飛躍の1年となった今シーズンについては、「『試合に出たい』という思いから始まった今シーズン、118試合出られたことは評価できるが成績には満足できない。来年、さらにレベルアップした姿を見せたい」と話しました。

福井県の野球の強豪高校では、北陸勢で唯一甲子園優勝経験のある、敦賀気比高校が全国的に名を知られています。敦賀気比高校に負けない活躍を見せる福井商業や、福井工大付属福井高校も野球の強豪高校で有名です。福井の野球ファンたちからは、今後福井県代表で初の夏の甲子園優勝を果たすのはどの強豪校になるのかに期待が集まっています。

今季、プロ野球選手として更なる一歩を大きく踏み出した栗原選手。今回、母・ルミさんへの電話インタビューを通して、現在の栗原選手の原点や支える家族の想いを垣間見せて頂くことができました。ありがとうございました。

今年で71回目と長い歴史を誇る日本シリーズで、福井の公立校出身の選手がMVPを獲得するのは史上初の快挙となる。

栗原が小学4年から通った硬式野球チーム「福井ブレイブボーイズ(現福井ボーイズ)」の南博介監督(47)は今季のスイングスピードの速さに目を見張った。「日本シリーズでここまで打つなんて。想像を超えている」と驚き、「工藤監督に最高の経験を与えてもらった。今後も彼なら大丈夫」とさらなる成長を確信していた。

2020年の日本シリーズは福岡ソフトバンクが4勝0敗で巨人を下し、11度目の日本一となった。このシリーズの流れを掴んだのはMVPを獲得した栗原 陵矢(春江工出身)といっていいだろう。