2021最新 内村航平 航平ノート

みずからと向き合いながら“完璧な演技”を追い求め続ける内村航平。4回目のオリンピックとなる東京大会でも、その姿勢は変わらない。

4月から続いた体操の東京オリンピック代表選考会。6日に行われた全日本種目別選手権 決勝、その最後の種目となった鉄棒で、内村は最後の演技者だった。前日の予選でほぼ完璧な演技を見せた内村。同じようにこの日も演技をこなせば、代表内定は確実といえる状況になっていた。

5人の力を結集した団体、最後の鉄棒で着地をぴたりと止め、ベルニャエフを逆転した個人総合は、それぞれリオの名場面だ。内村は東京で新たな歴史を刻むべく、静かに燃えている。

美しい演技を支えてきた圧倒的な練習量に限界が見え、30歳で迎えた2019年の全日本選手権では予選敗退を味わった。本来の演技とはほど遠い内容で、鉄棒の着地ではひざをついた。

「リオで終わって引退した方が正解だったのかな。でも五輪には出られているし。やってきたことに意味がないことはないと思うけれど。何なんだろう」。東京五輪の体操男子で24日の予選に臨んだ内村航平(ジョイカル)は演技後、まとまらない思考を整理するためか冗舌に言葉を連ねた。穏やかな笑みと、期待を裏切った自分への罰のような辛辣さを込めて。

結果は種目別の鉄棒20位で予選敗退。事前の国内大会での得点と演技内容は…

選考方法は、日本協会が19年世界選手権から全日本種目別までの8大会で、海外選手、団体代表4人らの得点を対象にした独自の世界ランキングを作成。全日本種目別後に同ランキング突破者の順位ごとにポイントを与え、5試合の総合ポイントで競う。1位かつ0・2点差以上は40点、1位は30点、2位は20点と続く。

思えば、2つの金メダルを獲得した2016年のリオデジャネイロオリンピックの後、内村の体操は試練の連続だった。「日本で開かれるオリンピックに絶対に出たい」と東京オリンピック出場を目標に掲げながら、2017年の世界選手権では、左足首を負傷し、個人総合の連勝が40で止まった。慢性的な肩の痛みから満足に練習できなくなった。