2021最新 柳楽優弥 象

その苦しみを一人でじっと見つめている方が、柳楽優弥だ。伏せ目がちに耐えている姿が印象的で、『ウシジマくん』の時と同じ役者とは思えず。元カノとの複雑な関係を通じてあぶり出される過去の秘密が、ミステリー仕立てで描かれるので、最後までハラハラ。抑えた演技だからこそ引きつけられる目ヂカラは、この作品でも健在だ。

河原れん「葛飾北斎という人は、江戸時代に 90 年も生きた人で、そんな人の人生をわずか 2 時間にまとめるのは不可能な話なんです。90 回以上引っ越したとか、30 回以上名前を変えたとか、3 万枚以上の作品を残したとか、逸話は沢山ありますが、これをまとめるだけではただのダイジェスト映画になって面白くないなと思いました。そこで、本当に何を描きたいのかなと思ったときに、やはり北斎が描いた”絵”に焦点を当てて、どんな絵を描いたのか、その絵を描いたときに、北斎は誰と出逢い、どんな気づきがあったのだろうか、影響を受けた北斎の次の絵はどんな風に変わったのかと、私なりに考えながら作品を作り上げました。柳楽さんと田中さんのお言葉を聞いて改めて、北斎の”美しい不器用さ”を描きたかったんだなと感じました。きっとそういう一面があり、愚直に自分の作品を作り上げて、世に何かを伝えようとしていたんじゃないかなと思います。他にもこの作品に込めたメッセージや、今の時代にだからこそ見てほしいという意味も、ご鑑賞いただいて感じていただきたいです」

物腰がクールなので何を考えているのかわかりにくいが、婚約を破談にしてまで彰義隊へ入隊した熱い忠誠心の持ち主を演じた柳楽優弥。彰義隊の存在理由が消滅してもなお突き進もうとする彼は、決して悲劇のヒーローではなく、信念を手放さなかった1人の若者だ。重いテーマに始終せず、淡い三角関係も盛り込まれている青春映画。

これは、抑圧に負けず、信念を貫いた絵師の傑作誕生秘話である。時は江戸。表現者たちが幕府によって自由を奪われていた時代に、自分の道を貫き続け、世界を変えた一人の絵師がいた。天才絵師、葛飾北斎である。ゴッホ、モネなど名だたるアーティストたちの脳髄を刺激し、世界に影響を与え続けた北斎。その生き様とはいかなるものだったのか?およそ 200 年経った今もなお、色褪せることなく人々の心を掴んで離さない“あの波”誕生の瞬間とは?常識に捉われずにに生きた北斎の、誰も知らない物語が今、明かされる。

この日、第33回東京国際映画祭 特別招待上映の舞台挨拶に登壇したのは、W主演の柳楽優弥、田中泯とメガホンをとった橋本一監督、企画・脚本 河原れんの4名。

2020年2月に新たに刷新された新パスポートや2024年度から使用される千円札のデザインに採用されるなど、代表作「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」で日本のみならず世界的に有名な葛飾北斎。2020年で生誕260周年を迎えた葛飾北斎は、19 世紀にヨーロッパでジャポニズムブームを巻き起こし、マネ、モネ、ゴッホ、ゴーギャンなど数々のアーティストに影響を与え、西洋近代絵画の源流となった。世界で最も有名な日本人で、米 LIFE 誌“この 1000 年で偉大な功績を残した 100 人”にも唯一の日本人として選ばれている。その北斎の知られざる生涯を初めて描く映画『HOKUSAI』が2021年5月に公開されることが決定した。主人公となる葛飾北斎の青年期を演じた柳楽優弥と、老年期を演じた田中泯が、二人一役を務めている。

彼が自分たちのトップ争いに無関心なので憎たらしいものの、強そうなので味方につけたい。そこへ絡んでくるのが、ケンカ偏差値1位で最大派閥のリーダー・柳楽優弥。暴力の塊のようなボサボサ頭の悪人顔である。柳楽優弥ってこんな俳優だったっけ? でも怒った時の歩き方がステキ。

──2020年は、30歳を記念したパーソナルブック『やぎら本』(発行:SDP)も出版、今まで以上にプライベートな素顔を出されていたのも印象的でした。

柳楽優弥は、蛭子能収が所属していた組長の娘の婚約者。スーツ姿にメガネというスマートな男性で、登場人物の中で唯一物腰が柔らかく、彼女に対して愛情深いように見えるが、どす黒い秘密を隠し持っているのも一目瞭然というわかりやすいキャラである。彼が取り出したスマホケースのファンシーさは、笑うところ。

それまでのイメージをガラリと変え、このショッキングな主人公を演じて絶賛された柳楽優弥。徹底した役作りで俳優としての底力を知らしめた記念すべき作品である。彼は一体どこまで行くのか、どこに行こうとしているのかが全くわからない恐ろしさと、彼に巻き込まれていくことで浮き彫りになる人間たちの醜い姿が、心につき刺さる。

柳楽優弥「僕は 10 代のころから日本映画に関わらせていただいています。今、このような時期で気を付けるべきことは多いと思いますが、日本映画ファンとして、また皆さんに元気をお届けできるような俳優でありたいと思います。楽しんでください!」

ウシジマくん=山田孝之というイメージが定着したほど、ロバート・デ・ニーロばりの変貌ぶりで演じた山田孝之に注目が集まったが、この作品では綾野剛や菅田将暉、窪田正孝といった主役級の人気俳優も出演。その中の1人が、柳楽優弥である。ただし、柳楽優弥はウシジマくんと一緒に働かないし、お金も借りない。彼はストーカーなのである。

『HK/変態仮面』(13)の続編。好きな女の子のパンティをかぶることでパワーを発揮し、悪を倒すという異色ヒーローを鈴木亮平が演じた。NHK大河ドラマ『西郷どん』の彼しか知らなかったら卒倒しそうな変態ぶりを披露したことで有名だが、なかなかどうして、柳楽優弥のインパクトも負けてはいない。

江戸から明治という大きな過渡期ゆえの物語。彼と一緒に賞金稼ぎの旅に出るアイヌ出身の若者。それが柳楽優弥。彼の陽気でバカっぽくて危うい雰囲気を持つコミカルな存在が、一種の救いであり、映像に動きを与えている。それまでの柳楽優弥とは違う魅力を発見。國村隼と佐藤浩市が対峙するシーンがみどころだ。

W主演である中島裕翔と菅田将暉が出ずっぱり。感情移入しやすい普通の青春ドラマだと思いきや、途中から急に巧みな仕掛けが……予定調和が崩れてドキドキしてくる。柳楽優弥はこの物語の要ともいえる役どころで、ここぞという時に登場するので、これまたドキドキ。フラットで静かなオーラにぐぐっと引き込まれる。