まず、選抜という制度について知らない方のために説明すると、乃木坂46にはまず選抜メンバーとアンダーメンバーという、いわゆる一軍と二軍が存在し、メディアに多数出演しているのは選抜だと思ってもらって構いません。つまり、齋藤飛鳥はその間選抜からアンダーでの活動を余儀無くされることになってしまったのです。選抜から外れた際に齋藤飛鳥はこうコメントを残しています。
これまで乃木坂46としてドラマ『初森ベマーズ』への出演や舞台『あさひなぐ』で主演を務めるなど数々の演技は経験していた齋藤飛鳥。主演を務めた舞台『あさひなぐ』では映画やドラマとは違うその場で演技が繰り広げられるリアルタイムな空間に苦手意識があった齋藤飛鳥はかなり苦労したそうで、東京公演の千秋楽での挨拶の際には涙ぐんでしまう場面も。
乃木坂46としての活動以外にも齋藤飛鳥の活躍は目覚ましく、ソロ写真集の発売からCMにTVと引っ張りだこです。2017年に発売された写真集『潮騒』は、北海道と沖縄という季節感の異なる場所で撮影が行われ、気球や木の船での撮影や今回が初となる水着のカットが見られます。見た感想としては、季節感の異なる場所での撮影のためか、齋藤飛鳥の表情にも場所ごとに違って見え、一冊で二度楽しめる写真集になっていると感じました。
今でこそ、人気メンバーの一人、中心的存在の齋藤飛鳥ですが、乃木坂46加入当初から人気メンバーだったわけではありませんでした。デビューシングルの「ぐるぐるカーテン」では表題曲のメンバーにも選出され、その後も順風満帆かと思いきやその後4枚目シングル「制服のマネキン」に至るまで選抜メンバーから外れてしまいます。
その後、アイドルを演じることを無理だと悟り、これまでの演じていた自分から素を見せることを決心。着飾らない自然体なキャラが徐々に定着していきました。余談ですが、齋藤飛鳥の乃木坂46公式ブログを加入時と現在を比べてみると、その変化に驚かれることでしょう。ファンの欲求に応えるべくアイドルらしくいることがアイドルとして成功収めると思われがちですが、アイドルとしての自分をさらけ出し、ありのままを見てもらうことが結果として自分の魅力が伝わりやすくなる良い例でもあります。実際に齋藤飛鳥がイメージの転換を行ってからというものの、素でいることが受け入れられ、それが齋藤飛鳥の個性として新たなアイドル像を作り上げていくことになりました。
2017年より個人としてCMにも多数出演しており、タウンワーク「雪国」編でダウンタウンの松本人志と中川大志と共演を果たし、齋藤飛鳥による毒舌が印象的なスニッカーズ「毒舌アイドル」篇などにも出演。個人でCMに出演しているメンバーは多くはなく、齋藤飛鳥の人気を示すものになっていますね。
アイドルとして人気を獲得するに至るまでに様々な苦労があったことは前述の通りですが、ここでは齋藤飛鳥が考えるアイドル像に迫ろうと思います。アイドルという偶像に対する考え方や姿勢が異色であり、かつそれでいてアイドルとして成功をおさめているアイドルは業界を見ても数えるほどしかいないでしょう。齋藤飛鳥はそのひとりに数えられます。
その経験もあってか、『あの頃、君を追いかけた』では齋藤飛鳥が齋藤飛鳥本人を演じていると錯覚してしまうほどリラックスしており、自然体な演技だったように感じました。しかし、普段は感情の起伏が少ないという齋藤飛鳥だからこそ、感情を表現する演技について監督からの絶妙な指示を体現する難しさも語っており、映画初主演らしく困難もあったようです。
また、齋藤飛鳥といえば顔が小さいことでも知られ、顔の大きさはなんと18cm、頭まわりは50cmという驚異の小顔の持ち主。その上8頭身でもあるので、抜群のスタイルなんです。番組各所でも顔の小ささがピックアップされることも多く、「乃木坂工事中」では同メンバーの秋元真夏との顔の大きさ比較でMCを務めるバナナマンの二人にイジられることも多々…。ただでさえスタイルの良いメンバーが揃っている乃木坂46の中ですら顔の小ささは抜きん出ていることがわかると思います。例えば、普通の人が使用するマスクを齋藤飛鳥が身につけると顔全体が覆われてしまうほど。
続いてInstagramに投稿する写真をステージ上で撮影した5人は、「ファンタ」をイメージした衣装を着たメイプル超合金によるジャッジのもと、3組に分かれて“クラス対抗変顔対決”に挑戦。齋藤と与田のグレープ組は「新学期、となりの席になった子と仲よくなりたいとき」、生田と山下のオレンジ組は「ちょっと声をかけづらいクラスのマドンナに話しかけたいとき」、レモン組の秋元は安藤なつとコンビを組んで「中学校時代の同級生と偶然再会したとき」というテーマに沿い、机と椅子に座って変顔ボトルを活用した演技を披露した。グレープとオレンジの2組がそれぞれ照れつつもかわいらしい芝居を見せる中、結果は会場に微妙な空気を漂わせたレモン組の勝利に終わり、カズレーザーは「(安藤に)こんだけ足を引っ張られたのに、うまい具合にできたのは素晴らしいですよ」と秋元を称賛。齋藤は「ただ見た目がファンタグレープなだけなのに」とパープルの衣装に身を包んだ安藤に対する不満を述べ、会場の笑いを誘った。
映画『あの頃、君を追いかけた』で主演を務め、飛ぶ鳥を落とす勢いを見せている乃木坂46・齋藤飛鳥の魅力に迫りました。現在は「ザンビ」プロジェクトの第2弾として放送されているドラマ『ザンビ』でも主演を任されており、青春映画のヒロインとはまた違った一面を披露しています。乃木坂46をこれまで牽引してきた主要メンバーが次々と卒業を発表していく中、これからの乃木坂46を引っ張っていく存在となるのは間違いないでしょう。いや、もうすでに乃木坂46という看板を背負っていると言っても言い過ぎではないのかもしれませんね。
共演した水島浩介役の山田裕貴は斎藤の演技について、「小手先の余計な演技はせずに、無駄をそぎ落としたピュアな演技をしているからこそ伝わる部分があるんですよね。今後、ほかの役も見てみたくなりました。」とAbemaTIMESのインタビュー語っているように、斎藤飛鳥の演技には役者として様々な可能性を示唆しています。何事にも直向きすぎる齋藤飛鳥だからこそ、本作での自然体な演技が実現したのではないでしょうか。齋藤飛鳥だからこそなし得るピュアな演技を見てみたいですね。
イベントの最後には齋藤が「新学期にピッタリなので学生の皆さんにもマネしてもらいたいです」と変顔ボトルをアピールしたほか、秋元が「4期生とコミュニケーションを取るときに、変顔ボトルがあったら話のネタになって盛り上がるんじゃないかなと思うので、みんなで活用していきたいと思います」と語って「『ファンタ坂学園』入学式」を締めくくった。
今でこそ乃木坂46には欠かせない存在であるため、この時代があったことは忘れてしまいそうになりますが、この時代があったからこそ齋藤飛鳥のいまがあることは間違いありません。乃木坂46結成当初からファンである方は齋藤飛鳥の不遇の時代をともに共有してきたこともあって、現在のこの活躍は嬉しいことでしょう。
キャストには、『HiGH&LOW』シリーズなどに出演している山田裕貴と乃木坂46の齋藤飛鳥、松本穂香、佐久本宝など錚々たる出演者が揃っていますが、特筆すべきは齋藤飛鳥の映画初主演でしょう。乃木坂46ファンはもちろんのこと、原作のファンからも齋藤飛鳥が優等生役の早瀬真愛をどのように演じるのかに注目が集まりました。