2021年令和3年 黒執事ネタバレ 167

突然始まるうたプリやキンプリ!!ここからシエルの真実編になだれこんでいきます。シエルの真実については伏線がずっと張られていたので、わりと一般的な真相開示だと思います。その一方で青の教団編の「青の教団の目的」と「キラキラの正体」の情報開示のタイミングは面白くて、これが黒執事のテンポだ~!と思います。

この情報開示タイミングのズレって読んでいると面白くて、何が面白いのかな? とうまく言語化できないところがあったのですが、あえて言うと「セバスチャンの格を落とさず、かつ事件を早く解決させすぎてしまわないため」の展開調整によるものなのかもしれないと感じました。例えば名探偵キャラが「な、なんだってー!」をやると格が落ちてしまうため、ワトソン役がなんだってーをやります。とはいえ、証拠を読者に提示するために出していくと、「名探偵なら早く解こうよ」となってしまいます。多くのミステリではさまざまな証拠をつなぐ最後の証拠が出てきて、そこから解決編になっていくわけですが、黒執事の場合は読者への情報を提示→(タイミング的にはセバスチャンとシエルはここで真相に気付き、計画を立てる)→話の軸や視点人物をずらし、すぐに解決編に持っていかない(もうひと盛り上がり作る)→真相が明かされる、という流れにすることで、シエルとセバスチャンの格を落とさず、読者にも予想と考察の楽しさ(焦らし)を与え、お話を盛り上げるというセンスなのかな…というのが、現時点で思ったところです。

こんにちは、餅月です!『黒執事』最新話第167話「その執事、強剛」Gファンタジ―2020年9月号の考察をしていきたいと思います。

ナイチンゲールと黒執事の時代は若干異なるため、奇跡の癒し手=ナイチンゲールは無いと思うのですが(死者蘇生されていない限り)ナイチンゲールのような看護婦がいるという比喩である可能性はとても高そうです。

ミステリ作品は多くは読者と視点人物が謎の理解度の足並みをそろえていくという展開を見せますが、黒執事の場合は「読者はだいたいわかってるけど視点人物はわかってない前提で動く」という見せ方をしています(これがけっこう独特のズレです)。また、悪魔や死神という常識外の存在がいるにもかかわらず、わりと常識的なアリバイ整理などをやっており、その辺に不思議なおかしみがあります。

タイタニック×ゾンビという最高のおこさまランチみたいな詰め込み方で成立しているのが不思議だけどメッチャ楽しく読めます! 黒執事はけっこうサブキャラを描くのにロングパスがあるよなと思っており、エリザベスはそれを感じるひとりです。もとからあった設定なのか、長期連載になるにしたがって変えていったのか(どちらかというと後者かな? とも思う。中盤~後者のリジーは指輪を癇癪で壊したりしなそう)はわからないですが、読者からの「なんやねんこの子…」からの「ええやないか!!!」のギャップ好きの引き出し方がうまい。

ロナルドの登場で、来月の黒執事が一気にさらに楽しみになりました!

公式サイトミュージカル「黒執事」

ミュージカル「黒執事」

黒執事第149話「その執事、鳩合」
死神派遣協会人事部に応援人員を要請していましたが、それでやってきた死神のうちの一人がどうやらロナルド・ノックスだったようです。

ここでやはり面白いのは、黒執事のファンタジーラインの引き方と、読者と登場人物のズレです。悪魔も死神もいる世界なら、「呪い」は存在するのか? 「ゾンビ」を生み出すのは人外なのか人間なのか? というところが完全に開示されていないので、読者は「呪い」「感染病」「毒」の3パターンを考えます。が、主要登場人物は基本的に「呪い」の一本線で考えており(この話は視点人物が中盤から知識を奪われているサリヴァンに移るのであえて一本線で考えるようになり)、真相が明かされたタイミングで「化学毒だったのか!」と登場人物が気づきます(化学毒なのかもしれない…という検討がない)。このテンポがけっこうおもしろいです。