2021最新 松山英樹 85年

今大会はコロナの影響もあって、現地解説には行けませんでしたが、テレビで見ていた私も泣きました。今まで、現地で何度も悔しい思いをしていた松山選手を見ていましたからね。
2011年の頃から松山選手を見ていると、元々フェードヒッターだったのが、ここ2、3年はドローボールをよく打っていた。それが今年は本来のフェードボールで上手く攻めていたと思いました。最近のマスターズを振り返ると、松山選手は“置きにいくティショット”でミスが出る場面が多かったですが、今年は置きにいったショットがほぼ完璧にフェアウェイを捉えていました。一方で、イーグルやバーディを狙えるパー5ではしっかり強振して強いボールも打っていた。そんなドライバーの強弱を上手く使い分けることで、3日目にはスコアを一気に伸ばして、4日目には我慢のゴルフができたと思います。
特に“置きにいくティショット”の技術を感じたのが最終日の17番と18番。15番で池に入れて、16番もボギー。2位と2打差に迫った状況で、17番も18番もドライバーで打ったティショットをフェアウェイにキープした。その精度が優勝につながったと思います。

ホールアウト後のインタビューで松山は「グリーンがタフな状況なので、17番以外はすごく良いプレーができたかなと思います。流れが悪くなりそうな所で、最後のパーパットもそうですけど、良く入ってくれたかなと思います」とうなずいた。

2019年、2020年と2年連続でマスターズに出場していた今平は、松山の技術レベルを絶賛。「優勝はものすごいことだと思います。松山選手はPGAツアーのトップ選手と比べてもアイアンの精度と高さは上だと思います」と称賛。

宮里さんが注目したのが10度目の挑戦となった松山選手の経験だった。

570ヤードの8番パー5は、ドライバーでフェアウェー左へ。253ヤードからアイアンでの第2打は、追い風に乗ってグリーン手前から転がり、ピン手前7メートルへ。軽いフックラインをねじ込んで、2017年大会第3ラウンドの15番以来となるイーグルを奪取。医療従事者を招待するなど1日数千人限定で、2年ぶりに会場を埋めたパトロン(観客)から喝采を浴びた。松山は前半を自己最少の33で折り返した。

世界中のゴルファーが憧れるグリーンジャケットに、日本人がついに袖を通した。緊張で朝から体が動かなかったという松山が、苦しみながらも1打差で逃げ切り、10回目の挑戦でマスターズを制した。1936年に陳清水と戸田藤一郎が初挑戦して以来、ジャンボ尾崎や青木功、中嶋常幸、片山晋呉、石川遼ら各時代の日本のエースたちが阻まれてきたオーガスタの壁を、とうとう乗り越えた。

日本勢唯一の出場で、8年連続10度目の出場となった松山英樹(29)=LEXUS=はショット、パットともに正確性を見せて1イーグル、2バーディー、1ボギーの3アンダー、69をマーク。日本人歴代最多8度目で、予選ラウンドでは昨年大会に続く3度目となる60台をたたき出し、ホールアウト時点では暫定首位と好位置で滑り出した。

松山英樹と同学年の石川遼は「すごいなという気持ちとともに“やる感じ”はありました。よく、“彼にできるなら自分にもできる”という言葉がありますが、英樹にできて自分にできないこともある。それを補ってスコアを作るのがゴルフの面白さ。すごく刺激になりました」と語った。

2011年大会で、当時東北福祉大2年だった松山は、おどおどしながら初めてオーガスタにやって来た。東日本大震災の直後とあって「ゴルフをやっている場合なのか」と辞退も考えたが、「頑張る姿を見せて」という声に押されて出場、攻めるゴルフで日本人初のローアマを獲得した。

最終日は重圧がかかる最終組のプレー。1番でボギースタートとなったが、前半3バーディーでスコアを伸ばした。優勝をほぼ手中にした15番からの4ホールで3ボギーと苦しんだが、1打差で逃げ切った。松山は優勝賞金207万ドル(約2億2700万円)と終身の大会出場権を得た。2位はザラトリス(米国)、3位にJ・スピースとシャウフェレ(ともに米国)が続いた。

松山英樹が優勝するまで、マスターズでの日本人最高となる4位の記録を持っていた片山は「すごい!の一言では失礼ですけど、85年、誰も打ち破れなかった壁を打ち破った。生きているうちに日本人の優勝が見れたという、何とも言えない感覚」と語った。

アジアアマ優勝、アマチュアでのマスターズ出場と先輩・松山英樹と同じ道を歩んでいる金谷拓実は「ゴルフの試合を見て初めて泣きましたし、感動しました。でも、『グリーンジャケットを常に持ち歩こうと思います』と言っていたのは、ちょっとかわいいなと思いました(笑)怒られるかな」とコメント。

だが、相手が3連続バーディーできていたため、流れを引き戻すためにあえて強行、そして打球は飛びすぎて奥の池まで転がった。シャウフェレは4連続を決めたため、これで2打差に。だが、松山の積極姿勢に勝負を焦ったシャウフェレは、先に打った16番の第1打、バーディーを狙ったショットを池へ落としてトリプルボギー。反撃の火は消えた。

何かが足りない。何をどう修正すればいいのか……。誰よりも歯がゆい思いをしたのも松山自身だったのだろう。今年、新型コロナウイルスで外出が制限される中、今度は耐える力の強さを見せ、快挙を成し遂げた。

松山英樹(29)=LEXUS=が日本人男子として初めてメジャーを制覇した。4打差首位からスタートし、73と落としたが通算10アンダー、1打差で逃げ切った。3年8カ月ぶりの米ツアー6勝目。優勝賞金207万ドル(2億2563万円)を獲得した。日本人がメジャーに参戦してから89年目、マスターズ初挑戦から85年目。アジア人としても初めてグリーンジャケットに袖を通した松山は、日本ゴルフ界の歴史の扉を開けた。